ペネトレーションテストの費用相場は?見積額の決まり方と確認ポイントを解説

ペネトレーションテストの費用相場は?見積額の決まり方と確認ポイントを解説

ペネトレーションテストの費用相場を対象別(Web/外部ネットワーク/内部ネットワーク)に解説。見積額を左右する要因や見積もり前後の確認ポイント、費用対効果を高める考え方まで紹介します。

ペネトレーションテストの費用は、対象範囲や攻撃シナリオ、検証の深さ、必要な工数によって大きく異なります。

この記事では、対象別の費用の目安や見積額を左右する要因、見積もり前に整理しておきたいポイント、費用対効果を高めるための考え方を解説します。

ペネトレーションテストの費用相場

ペネトレーションテストの料金は、対象や検証範囲によって大きく変わります。公的な統一料金や公式な市場平均は確認できないため、ここでは複数社が公開している料金情報をもとに、おおよその費用感を整理します。

対象公開されている料金の目安
Webアプリケーション/API50万円〜300万円程度
外部ネットワーク10万円〜100万円程度
内部ネットワーク50万円〜800万円程度

(2026年9月時点の各社公開情報)

※出典:CyberCrew|株式会社CyberCrew
※出典:C3index|シースリーインデックス株式会社
※出典:セキュリティ診断PLUS|シースリーレーヴ株式会社

※料金に幅がある理由は、後述の「ペネトレーションテストの見積額を左右する要因」で詳しく解説しています。

Webアプリケーションの費用相場

Webアプリケーション・APIを対象としたペネトレーションテストは、対象範囲や機能の複雑さ、画面数・API数などによって費用が変わります。複数のセキュリティ会社が公表している料金を見ると、50万円〜300万円程度が一つの目安となっており、規模によっては300万円を超える場合もあります。

外部/内部ネットワークの費用相場

ネットワークを対象としたペネトレーションテストは、外部・内部のどちらを対象とするかに加え、対象IP数やセグメント数、侵入後の横展開・権限昇格まで検証するかによって費用が変わります。

複数社の料金情報を見ると、外部ネットワークは10万円〜100万円程度、内部ネットワークや横展開を含む検証では50万円〜800万円程度が目安です。

石田篤史

監修者の一言|SynXではどのように見積もる?

石田篤史取締役COO 兼 セキュリティグループ長

SynXのペネトレーションテストでは、見積もり時に「診断内容」「診断対象(診断範囲)」「診断期間」「予算」を確認し、対象の規模や必要な工数をもとに見積もりを作成しています。

また、ネットワークを対象とする場合は、外部・内部ネットワークの攻撃シナリオを検証し、必要に応じて横展開や権限昇格の可能性まで確認します。こうした診断対象・範囲・攻撃シナリオに応じて、個別に見積もりを行います。

脆弱性診断との違いとは?

費用を比較するうえで混同しやすいのが、脆弱性診断との違いです。脆弱性診断は、既知の脆弱性や設定不備を幅広く洗い出すことを目的とするのに対し、ペネトレーションテストは、実際に想定される攻撃シナリオに沿って侵入経路や影響範囲を検証することを目的としています。

目的も検証内容も異なるため、必要な工数も変わり、単純な金額の比較はできません。

石田篤史

監修者の一言

石田篤史取締役COO 兼 セキュリティグループ長

どちらの診断が必要かを選ぶ場合、セキュリティ意識や予算が判断材料になることが多いです。一般的には脆弱性診断のほうが少ない予算で実施できるため、初めて診断を受ける場合など、まず現状を把握したい段階では脆弱性診断のみで十分なケースもあります。一方、ペネトレーションテストはより踏み込んだ検証を行うため、その分費用も高くなります。

両者の詳しい違いや使い分けの判断基準については、以下の関連記事で解説しています。

ペネトレーションテストの見積額を左右する要因

ペネトレーションテストの見積額に幅が生じるのは、対象や検証条件によって必要工数が異なるためです。ここでは、見積額を構成する主な要素を分解して説明します。自社の見積額にどの要素が影響するのかを把握する材料としてご覧ください。

対象システムの規模・範囲

見積額に影響する主な要因の一つが、対象システムの規模・検証範囲です。対象となるWebアプリケーション、API、IPアドレス、ネットワーク、拠点などの数が多いほど、また検証範囲を広く設定するほど、必要な工数は増えます。

ここで重要なのは「企業規模」ではなく、あくまで「実際にテストする対象の規模・範囲」が軸になるという点です。従業員数の多い企業でも、対象システムが限定的であれば工数はそれほど大きくならず、逆に従業員数が少なくても対象範囲が広ければ工数は増えます。

攻撃シナリオ・検証の深さ

「侵入できるかどうか」だけを確認するのか、侵入後に横展開・権限昇格・重要資産への到達まで検証するのかによっても、必要な工数は大きく変わります。想定する攻撃シナリオが複雑になるほど、検証にかかる時間と技術的な難度は上がります。

例えばSynXでは、攻撃者視点でのシナリオ設計や、侵入が成功した場合の被害範囲の推定までを重視した検証を行っています。

実施期間・工数・技術者の人数

テストにかかる期間、必要な作業日数、投入する技術者の人数、実施可能な時間帯(本番環境のため深夜帯や休日に限定されるケースなど)、短納期対応の可否なども、費用に影響する要素です。

ただし「期間が長い=必ず高い」というわけではなく、あくまで「その期間内にどれだけの工数を投入する必要があるか」という関係で費用が決まる点に注意が必要です。

報告書・報告会・再テスト・サポートの範囲

テスト実施後の報告書、報告会、再テスト、追加サポートなどが見積金額に含まれているかも確認が必要です。サービスによって基本料金に含まれる範囲が異なるため、初期見積もりだけでなく、実施後に発生し得る費用まで確認しておきましょう。

ペネトレーションテストの見積もり前に整理しておきたい4つのポイント

見積もりを依頼する前に、テストの目的や対象範囲、希望する実施時期、予算を整理しておくと、必要な検証内容を検討しやすくなります。

SynXでも、見積もり時に「診断内容」「診断対象・診断範囲」「診断期間」「予算」の4項目を確認しています。すべてを事前に決めておく必要はありませんが、現時点でわかる範囲を整理しておきましょう。

テストの目的・確認したい内容

何を守りたいのか、どのような攻撃やリスクを想定しているのかを整理する

テスト対象と範囲

Webアプリケーション、API、ネットワークなど、どのシステムを対象とするかを整理する

希望する実施時期・期間

実施できる時間帯に制約がないかを含めて整理する

想定している予算

上限や想定金額があれば、あらかじめ整理しておく

目的や範囲がまだ固まっていなくても、現時点でわかる範囲でご相談いただけます。

ペネトレーションテストの見積書を受け取ったら確認したいポイント

見積書が届いたら、提示された金額だけで判断せず、その金額に何が含まれているか、追加費用が発生する条件は何かを確認しましょう。

複数社を比較する場合は、同じ条件で見積もられているかを確認したうえで、サービス内容や実績も含めて判断することが大切です。

料金に含まれる内容と追加費用を確認する

まず、提示された金額にどこまでの作業が含まれているかを確認します。テストの設計や侵入検証だけでなく、報告書の作成、報告会、改善提案など、実施後の対応まで含まれているかも確認しておきましょう。

あわせて、修正後の再テストや対象の追加、実施条件の変更など、追加料金が発生するケースも確認しておくと、テスト全体にかかる費用を把握しやすくなります。

複数社を比較するときは見積もり条件をそろえる

複数社の見積書を比較する場合は、金額だけでなく、見積もりの前提条件がそろっているかを確認します。

対象となるシステムやIP、攻撃シナリオ、実施条件、成果物、再テストの有無などが異なれば、同じ「ペネトレーションテスト」でも金額は変わります。

価格差がある場合は、単純に高い・安いと判断するのではなく、検証範囲や作業内容にどのような違いがあるのかを確認しましょう。

価格だけでなくテスト内容や実績も確認する

見積もり条件が同じでも、実際に行われるテストの内容は会社によって異なります。

料金だけでなく、これまでの実績や対応できる領域、手動でどこまで検証するのか、どのような報告や改善支援を受けられるのかも確認しましょう。

ペネトレーションテストの費用対効果を高める考え方

ペネトレーションテストでは、対象を広げたり、侵入後の横展開や権限昇格まで検証したりするほど、必要な工数が増えます。限られた予算の中で効果的に実施するには、すべてを一律に検証するのではなく、「今回のテストで何を確認したいのか」を明確にしたうえで、対象や検証内容を決めることが大切です。

確認したいリスクに合わせて検証の優先順位を決める

まずは、どのようなリスクを確認したいのかを整理し、それに合わせて対象や攻撃シナリオを決めます。たとえば、外部からの侵入リスクを確認したい場合は、インターネットからアクセスできるシステムを中心に検証します。

一方、侵入された後にどこまで被害が広がる可能性があるのかを確認したい場合は、横展開や権限昇格、重要なシステムへの到達可能性まで検証する必要があります。対象を単純に減らすのではなく、確認したいリスクに直接関係する範囲を優先することで、必要な検証に予算を充てやすくなります。

脆弱性診断の結果を踏まえてペネトレーションテストを検討する

まだセキュリティ診断を実施したことがなく、システムにどのような弱点があるのか把握できていない場合は、最初からペネトレーションテストを行う必要があるとは限りません。

脆弱性診断で幅広く弱点を把握する段階と、実際の攻撃を想定して侵入経路や影響範囲まで確認する段階を分けることで、目的に合った診断を選びやすくなります。

診断結果を踏まえて次の検証範囲を決める

すでに脆弱性診断を定期的に実施している場合は、その結果や対策状況を踏まえてペネトレーションテストへ進む方法もあります。

SynXでは、定期的に脆弱性診断を行っている場合や、診断後の対策によって一定のセキュリティ水準まで高めたシステムに対して、次の段階としてペネトレーションテストを実施するケースがあります。

一度にすべてを検証するのではなく、これまでの診断結果をもとに次に確認すべきリスクを絞ることで、その時点で必要な検証に予算を充てやすくなります。

【事例】同じ診断条件を維持してコストを見直したNTTデータ関西様

ここでは、実際に見積もりの見直しに取り組んだ企業の事例を紹介します。

見積金額を比較するときは、価格だけでなく、その金額でどこまで診断してもらえるのかを確認することが重要です。

NTTデータ関西様では、自治体向けクラウドサービスに対してWebアプリケーション診断とネットワークペネトレーションテストを年次で実施しています。継続的な診断ではコストも課題となっていましたが、費用を見直す際も、診断項目・診断基準・対象範囲は従来と同じ水準を維持しました。

つまり、診断する項目や対象を減らして見積金額を下げたわけではなく、これまで必要としていた診断内容を維持したうえで、コストを見直した事例です。診断結果の報告についても、従来と同等の水準になるよう必要な項目を事前に指定しています。

見積もりを比較する際も同様に、「200万円と300万円なら200万円の方が安い」と金額だけで判断するのではなく、対象範囲や検証内容、成果物などの条件が同じかを確認してから比較することが大切です。

NTTデータ関西様の詳しい導入事例は、「NTTデータ関西様 導入事例」で紹介しています。

ペネトレーションテストの費用に関するよくある質問

最後に、ペネトレーションテストの費用を検討する際に疑問になりやすいポイントをまとめます。脆弱性診断との費用差や無料ツールとの違い、実施の必要性やタイミングについて確認しておきましょう。

Q脆弱性診断とペネトレーションテストでは費用はどのくらい違いますか?

A一般的には、脆弱性診断のほうが少ない予算で実施できます。ただし、両者は目的や検証内容が異なるため、「ペネトレーションテストは脆弱性診断の○倍」と一律に比較することはできません。

まずシステム全体の弱点を把握したい場合は脆弱性診断、実際の攻撃を想定して侵入経路や被害範囲まで確認したい場合はペネトレーションテストというように、確認したい内容に応じて選ぶことが大切です。両者の違いについては、「ペネトレーションテストと脆弱性診断の違いとは?目的に応じた使い分けを解説」で詳しく紹介しています。

Q無料のツールを使えば、ペネトレーションテストの費用をかけずに済みますか?

A無料で利用できるセキュリティツールはありますが、専門会社が実施するペネトレーションテストをそのまま代替できるわけではありません。

ペネトレーションテストでは、単に脆弱性を検出するだけでなく、システムの構成や想定する脅威に合わせて攻撃シナリオを設計し、「実際に侵入できるか」「侵入後にどこまで権限を取得できるか」「重要なシステムや情報まで到達できるか」などを検証します。ツールは個別の調査に活用できますが、実際の攻撃を想定した一連の検証とは分けて考える必要があります。

Qペネトレーションテストは必ず実施する必要がありますか?

Aすべてのシステムで必ず実施する必要があるわけではありません。

たとえば、まだセキュリティ診断を実施したことがなく、まず現在の弱点を幅広く把握したい段階であれば、脆弱性診断から始める方法があります。一方で、外部から侵入された場合の経路や、侵入後の横展開・権限昇格、重要な情報への到達可能性まで確認したい場合は、ペネトレーションテストを検討します。システムの重要度や想定するリスク、確認したい内容から判断することが重要です。

Qペネトレーションテストは一度実施すれば十分ですか?

A一度実施すれば、その後ずっと安全性を確認できるわけではありません。システムの改修や機能追加、ネットワーク構成の変更などによって、新たなリスクが生じる可能性があるためです。

定期的に脆弱性診断を実施し、対策が進んだ段階でペネトレーションテストを行うなど、システムの状態に応じて段階的に検証する方法もあります。特に重要なシステムでは、「前回テストしたから問題ない」と考えるのではなく、システムや利用環境の変化に合わせて、再度検証が必要かを判断します。

まとめ|費用相場と見積額の決まり方を理解して、自社に必要な範囲を相談しよう

ペネトレーションテストの費用は、対象システムの規模や検証範囲、想定する攻撃シナリオ、テストの深度、実施期間などによって大きく変動します。そのため、費用相場だけで「高い・安い」を判断するのではなく、自社が何を目的として、どの範囲まで検証したいのかを明確にしたうえで見積もりを取得することが重要です。

また、目的や対象範囲、実施時期、予算などの要件がすべて固まっていなくても、ご相談いただくことは可能です。SynXでは、お客様の課題やリスク、求めるセキュリティレベルを整理しながら、最適なテスト範囲をご提案します。

「何から始めればよいかわからない」「まずは概算費用を知りたい」という段階でもお気軽にご相談ください。お問い合わせフォームよりご連絡をお待ちしております。

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